「フルサトをつくる」(伊藤洋志 x Pha)の考え方は共感かつ理想的なんだけど

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人生居酒屋The Albion Innへようこそ。サラリーマン生活に倦んでいる人たくさんいますよね。というわけでブログでは「店主」を名乗っている劉英です。

今週も図書館で本を借りてきまいたが、その中の一つが「フルサトをつくる」です。

伊藤洋志さんとPhaさんという人の共著です。年齢を見たら、2人とも1978-79年生まれだから、ちょうど僕と同じ年齢でした。

伊藤氏は、仕事づくりレーベル「ナリワイ」代表、というよく分からないポジションの人です。

Pha氏はニートと書いていますが、月間10万PV(羨望)のブロガーだったり、シェアハウスのオーナーだったりするようです。

どちらも、まっとうなサラリーマンとかビジネスマンというスタイルではないですが、自由で充実した人生を送っているようで、僕は正直、年収1,000万円のサラリーマンより、そういう生き方、心の在り方に憧れます。

共感できる考え方

「はじめに」の部分でさっそく、伊藤氏のことばに深く共感します。

人間が何かにチャレンジができる条件とは、いざとなったら死なない自信であると私は考えている。。。

「フルサトをつくる」 p6

その通り。会社で無能と呼ばれても、起業に失敗しても、何とか食っていける、と思えるならどんなことにも前向きになれると思います。そういう「フルサト」を持つことが、重要ですよね、と語りかけられます。

この変化が大きい現代社会は、常識的に安定と思われることのほうがリスクが高いことが往々にしてある。安定しているとは、世の中が動いている時期に止まっていることであるから当然である。日々チャレンジしていったほうが、変化に適応できるから長期的に見たら安定していると言える。なにより毎日面白く過ごせるから、精神面での健康も維持しやすい。。。不安で思考が充満すると視野狭窄になって変化を生み出せなくなる。不安を打ち消す余裕を持つにもフルサトは重要な役割を持つ。

「フルサトをつくる」 p11

この辺りは、なるほどと思いました。まさに今の僕の状態を指摘されているようです。将来への不安で心が満たされているから、とても変化への挑戦なんてやろうと思えません。もし僕に、いつでも帰れるフルサトがあり、そこに最低限の衣食住をまかなえる、家と場所があれば、嫌な人間関係に耐えつつ会社勤めをしなくていいし、転職活動でパワハラやブラック企業を恐れる必要もない。

続いてPha氏の「はじめに」の考え方にも、共感させられます。

今の時代、何が起こるか分からない。平穏な人生を脅かすトラブルは突然予告もなくやってくるものだ。自分や家族が病気で倒れる、職を失って収入が途絶える、大災害が起こって住む家がなくなる、といったことは低確率だが誰の人生にも起こりうる。だから、「大きな失敗をしたり大きなトラブルにあったりしてもそこに行けば何とか生きられる」という場所を持っていることは、生きるにおいてかなりの心の余裕をもたらすので大事なことだ。

「フルサトをつくる」 p27

ほんと、その通りでしょ。そういう「フルサト」のつくり方を、この本で教えてくれるわけね、と、この「はじめに」の部分ではたいへんテンションが上がります。これに従っていけば、僕の行き詰った人生もなんか変えられるのではないか、と。

理想との乖離に失望した点

が、この後の具体論は、僕にとっては心を折られることの連続でした。

人の縁

まず「フルサトの見つけ方」の章で最初に出てくるタイトルが、「人のをたどっていこう」。。。。

僕ってこれまでの人生で人の縁を本当におろそかにしてきた人間です。振り返りたくない過去ばかりだったので、その時々の友達とか先生とか周りの人との関係を、次々と闇に葬ってきました。だから、僕の過去の人生の中でつながりのある人というのは、ものすごく限られています。日常的に会う友達は本当にゼロです。

人の縁をたどるということは、人付き合いをする、ということだと思うのですが、僕って付き合いが表面的なところから深まり始めると、人と自分を比較して、すぐに落ち込んでいくタイプです。僕より劣った人というのはなかなかいないので、普通は人が優れたところを見て、自分のダメさ加減に落ち込んでいきます。だから、人の縁をたどって、と言われると、あぁ、いきなり厳しい課題を突き付けられた、という感じ。

クルマ

次に、フルサトをつくる場所を選ぶ際に重要なポイントととして、「交通」というのが挙げられていました。フルサトはやはり、都会ではないので、電車で行けるようなところではないんですね。となるとクルマ。今僕が最もジレンマを感じている、車の運転が必須になりそうな感じです。ジレンマというのは、人生を充実させようと思ったらクルマでの移動ができることは、重要なポイントになる、けど、事故を起こしたくないしカネもかかるから、運転はできる限りしたくない、というジレンマです。いやーこれも厳しいな。

自給力

さらに「自給力」。これも納得いく考え方ではあります、が、僕には厳しい。

自給活動はマネーを稼ぐための活動よりも費用対効果がよいことが多く、狙い目の分野なのでいろいろ検証してみる価値がある。具体的には、年収が200万円でも持久力が300万円、つまり300万円の価値があることを自力で作り出せれば、500間年の価値がある生活が送れる、という感考え方である。

「フルサトをつくる」 p149

確かにそうだわ。この自給力の例として、例えば家のリフォームを、工務店に頼む代わりに自分でやるとか、食料品を買うのではなくて自分で作るとか、そういうことが書いてあります。この「自給」がいいのは、このようなポイントだと思います。

  • 自分の生活のためにやるから、自己満足でいい
  • もしかしたら、人のために役立って、報酬をもらえるかもしれない
  • ビジネスのように売上拡大を目指す必要はない

素晴らしい考え方だと思います。これがねえ、ほんと苦手なんですよ、自分でやるっていうのが。何でもカネの力で外注してしまうというのが僕の考え方なのですが、だからと言って代わりにできることもないんです。結局ここに戻ってきてしまうのか。ちょっとがっかりします、自分にね。

希望も期待も抱くけど

この本は、単純な田舎暮らしのすすめ、のようなものより、かなり深いと思います。田舎暮らしであることは変わりないかもしれませんが、それをどうやって人生の充実につなげるのか、ということを、かなり綿密に分析し、まったく納得のいくように説明してあります。

想像するだけで楽しそうなアイデアがたくさん紹介されていたり、「フルサト」づくりの具体的な方法論も紹介されています。こんなことできたら本当に楽しそうで、生きていることを実感できそうだな、と思いました。

ただやっぱり、人の縁、クルマ、自給力、どれをとっても今の自分にはハードルが高すぎるものでした。さらに言うと、子供2人の家族持ちという、身動きのしにくい環境や、40代中年サラリーマンという、なんであんたがこんなこと?と思われそうな身分が非常に重しです。今まで霧で見えなかった、登るべき山の頂上がチラッと見えたのですが、それがあまりにも遠くて、ため息が出てしまった感じです。

とはいえ、せっかく見えた山の頂上なので、このような考え方だけは忘れずに、機会を狙っていこうと思います。

最後に

理想としてそれほど高いわけではないのに、今自分が置かれたところから見ると、はるかに遠く見えるのが、このフルサトづくり、でした。読んでいると、面白い考え方とか、感心するようなアイデアが、至る所に見られて、本当に、いいコンセプトだなと思います。

なだけに、そこまでの道のりがはるか遠いことに、がっかりしてしまいますが。

最期に、(あれ、いや、まだ殺すのはやめて)、最後に、この本を読んで答えのきっかけがつかめそうな、ある一節を、自分のために引用しておきたいと思います。

。。。高齢化したエリアでは、草刈りができる人がいるだけでも貴重である。何なら日本全国高齢化していくこの時代においては、生きているというだけでどこでも特技になる。生きていること自体が本来は価値であるが、単にそれが見えにくくなってきているのが現代都市生活ともいえる。

「フルサトをつくる」p52

生きているだけで価値がある、ということの意味は、つまりこういうことなのかな。

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