ロシアのウクライナ侵攻がJTの業績に及ぼす悪影響を考えて冷や汗

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人生居酒屋The Albion Innへようこそ。JT株を700株保有している店主の劉英です。

ロシアがウクライナに侵攻するという、想像を絶する事態が起きて約3週間。JTの株価と日経平均の推移を比較すると、JTの不調がよく分かります。

JTは売上利益ともに、ロシアに依存するところが大きく、ウクライナにも製造工場を持っているんですね。ロシアは国際社会から猛烈な経済制裁を科されて、ハイパーインフレ、ロシアルーブルデフォルトの恐れがあるという状態なので、ロシアでのたばこの売上が下がることはもとより、ロシアの工場での生産が継続できるのか、さらにはロシアの工場がロシア政府に接収されかねない、という危機に瀕しているようです。

これは株価が低迷して当然です。株の保有者としては、どこまで下がる可能性があるのか、売上利益に対する影響がどれぐらいあるのか、というところが気にあります。

JTの対応

JTとしては、このようなプレスリリースを発行しています。2022年3月10日時点では、
・マーケティング活動の一時停止
・新製品の投入延期
という2つが決定事項です。
ただ、状況によっては「製造を一時的に停止」する可能性も言及しています。現地での従業員の雇用は維持する、ということなので、製造を停止しても固定費負担が残ることになります。

JTのロシアでの売上利益

直近の決算資料などでは、ロシアでの売上利益といった内訳は明示されていないと思われますが、いろいろなウェブ記事を検索すると、

ロシアは中国、インドネシアに次ぐ世界第3位のたばこ市場。

日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28259850W8A310C1TJ2000/

ロシアでは、同社が世界最大手フィリップ・モリスを抑えてトップシェアを誇る。ロシアと東欧諸国で同社の利益全体の2割弱を占めており、厳しい対応を迫られている。

朝日新聞Digital https://www.asahi.com/articles/ASQ3B74BBQ3BULFA02B.html

両国を含めた近隣諸国での利益は全体の約2割を占めるとされており、インパクトの大きさが意識される

FISCO https://web.fisco.jp/platform/market-news/0009350020220

とういことで、ロシアを含む東欧諸国でたばこ事業の利益の2割を稼いでいる、ということが報道されています。

2022年度業績への影響

これをもとに、2022年度業績にどのような影響が出るかを考えてみました。

直近の決算発表での2022年業績見通しがこのようになっています。

売上減少要因

ここには新規事業などが含まれていて、たばこ事業の売上収益としては約2兆円弱なので、たばこ事業の影響としてはこの85%と考えます。すると、営業利益では5,340億円 x 2割 x 85% =907億円。これが、JTがロシアを含む東欧諸国で稼いでいる営業利益ということになりますね。

これが完全に滅失するとは考えにくいです。ただ、たばこの原料となる葉タバコのベルギーからの輸入が停滞している、という情報もあり、本当に製造できなくなる可能性も否定できません。原料の在庫は約4か月分ある、という報道をもとにすると、これらを全部生産したとして、7月以降の6か月は、まったく生産ができなくなる、という可能性があります。年間の半分ですから、約450億円の営業利益下押し要因になる、と考えられます。

もちろん、ロシア以外の東欧諸国が入っているので、ロシア1国でここまでの影響はないのかもしれませんが、ざっくり450億円ということにしておきます。

ルーブル下落要因

ロシアでの売上利益は、現地通貨ルーブルで手にしているので、JTの業績として計算する場合は、ルーブルから円に換算することになります。そのルーブルの価値が大暴落しているので、いくらルーブルで稼いでも日本円に転じたときの価値は、大きく下がる、ということですね。

今のところ1ルーブル1.5円レベルだった為替レートが、1.1円というところですが、本格的にデフォルトとなると、為替レートがどうなるのかは想像がつきません。かつて2014年にデフォルトとなったアルゼンチンペソは、当時の12円から約半分に下がり、その後も下がり続けて現在は当時の12分の1となっています。これは激烈ですね。。。

まずは短期的な影響として、アルゼンチンのように価値が半分になると仮定してみます。100ルーブル=150円の売上が、100ルーブル=75円になってしまいます。

JTのロシアでの売上を営業利益から推定すると、営業利益907億円、前社の営業利益率は約25%とすると、売上高は推定4,000億円ですね。これが2,000億円になるので、この影響は甚大です。。。売上利益とも2,000億円の下押し要因です。これはとてつもないなぁ。。。

とある報道によると、ルーブル下落の影響についてはこのように書かれていました。

ルーブル急落による業績への影響もある。同社の2022年12月期業績計画で想定している為替レートは100円=70.20ルーブル。これが10%ルーブル安になれば、JTの調整後営業利益を約150億円下押しすることになる。3月7日時点では100円=約95ルーブルと、35%のルーブル安になっている。

東洋経済Plus https://premium.toyokeizai.net/articles/-/29994#:

10% で150億円、なので50%だと750億円の下押しですね。僕の推定2,000億円とはずいぶん違います。僕の推定はロシアを含む東欧諸国ベースだから、その部分が影響しているのかもしれません。その辺りがちょっとよく分からないので、真ん中を撮って1300億円ぐらい、と見ておくべきでしょうか。

売上と為替の合計影響

売上要因で450億円、為替要因で1300億円の利益が下振れすると、2022年業績はこのようになります。

当期純利益が半減です。JTの配当性向は75%なので、純利益が半減するということは、単純に考えると、配当も半減してしまいます。いや、配当が半減するだけならまだいいのですが、それに伴って株価が下落することのほうがインパクトが大きいです。これも最悪のケースでは単純に現在の半分になってしまうかもしれません。すると現在の2,000円どころか1,000円前後まで下がってしまうということですね。

JTは自己資本比率が約5割、有利子負債も14%と少ないので、突然無配に転落とか、債務超過というリスクはあまりないとは思いますが、

資産接収のリスク

もう一つ、想像したくないリスクが、ロシア政府による資産接収ですね。これはツイッターでのつぶやきをみてビビったのですが、プーチン大統領が、ロシアから撤退する企業の資産を接収すると言っているんですね。脅しであることを祈りたいですが、そんなことになるとどれぐらいの影響が出るのか分かりません。何千億という減損処理が必要になるんでしょうか。今回の見込みではここまで織り込んではいません。JTも撤退するとは言っていないので、まだ直接的なリスクではないと思っています。が、将来的には最悪の事態として、起こりうるかもしれません。

JT株を売るかどうか

ここまで考えると、JT700株、このまま持っていて大丈夫か心配になりました。考え方は2つります。

ひとつは、ここ1-2年で株価が暴落するリスクがあるから、今のうちに全株売却する、という考え方。もうひとつは、10年ぐらいのスパンで見て、ロシアの影響を吸収したり、願わくはロシアでの状況が好転したりして、売上、利益、配当が正常に戻るまで、含み損を抱えたまま塩漬けにする、という考え方。

どちらにするか決めきれずにいますが、ルーブルのデフォルトということが起こると、もう売却することもできなくなってしまうかもしれないですね。判断に残された時間はあまりないかもしれない。

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