働きたくない
労働がクソだ、とまでは思っていない。
まっとうな環境で、心を病むことなく、体に負担をかけることなく、適正な時間働けるのであれば、僕は働くことに何の問題もない。
問題の一つは、なかなかそんな恵まれた仕事環境なんてないということだ。
たいていの仕事は、無茶を言われることがあるし、精神的負荷を避けられないことがあるし、無理して働かないといけないことがある。
そしてより大きな問題は、仕事を得るにはそれなりの能力とかスキルとか、つまり人の役に立つことができる必要があるということだ。
まっとうな職場環境のある仕事に就くためには、より多大な競争相手に差をつる、「人に役立ち度」というのがどうしても必要になる。
これまでの人生を振り返り、僕にはその能力が全くないということが判明している。
だからもう、働きたくない。
うちの会社は特に優れた会社ではないのだが、そんな会社にも自分よりも「役に立つ」人というのがいる。「意欲や情熱がある」人もいる。「要領よく世渡りがうまい」人もいる。
うちのようなゴミのような会社にすらそんな人がいるのに、他の会社に行けばもっともっとそういう人と競わなくてはならないのだろう。そして僕は負ける。
だからもう、本当に働きたくない。
働くことで自分が傷つくばかりだし、人生がいやになるばかりだ。
この辺りの自分の気持ちはもっとうまく整理して書けるようになりたいが、今日はこれはきっかけであって、本題は別にある。
絶対にもう働きたくないから、働かずに生きてくということを夢想してしまう。
毎月10万円で30年生きると3600万円かかる。3600万円ならある。これを運用しながら使えば、たぶん40年ぐらいは持つだろう。毎月10万円で生活できれば、もう働かなくてもいい。その生活の可能性を夢想してみた。
毎月10万円生活の予算
生活費で欠かせない費用は何か。
・水道光熱通信費(インフラ費用)
・食費
・公租公課(年金・健康保険・税金)
このあたりはどうしてもかかってしまうだろう。二義的に必要になるのは。
・医療費
・交通費
このあたりは、なくても何とかなるが、一応あったほうがいい。
これらを組み込んで10万円で収まる経費構成はどのようなものだろう。

これ結構いけるんじゃないか?
家賃30,000円の家というのは、SUMOでちょっと調べてみたけれど、ワンルームだったら、場所とか築年数を選ばなければかなりたくさんヒットする。
インフラ費用については、学生時代の記憶をたどれば、これぐらいでも行けていたはずだ。
食費は1日1,000円以上使える想定。
年金や健康保険料は、無収入者として最低レベルの金額を払う。
日用品と交通費に合わせて月6,000円払うこともできる。
もし病気やけががなければ、月3,000円の医療費も浮かせることができる。
そして働かなくていい。
働かなくていい。
何度も言うが働かなくていい。
働かなくていいなら旅行に行けなくてもいいし、豪華なものが食べられなくてもいい。食費に40,000円使っていいならそれで十分に満足できるのではないかと思う。僕の舌は100円の寿司と10,000円の鮨、どちらを食べても同じ量だけの満足度を得られる。
でももう手遅れ
こうやって夢想したところで、夢から覚める。
もう手遅れなのだということは、よく知っている。
僕には妻がいて子供がいる。
家族を養っていかなくてはならないし、世間体というものもある。
これは結婚する前に考えておくべきことだったが、結婚する前にはまだ仕事というものがこれほど自分の人生をすり減らすものだとは知らなかった。頑張っていればそのうち乗り越えられるものだとも思っていたし、そのころにはまだ恐怖を感じるような責任もなかった。
いくら夢想してもこれはもう手遅れだ。
働きたくない。
働くことがこれほど自分を傷つけ、人生の辛さだけを押し付けてくるなら、本当にもう働きたくない。
【関連記事】
会社員を辞めた(会社が倒産した)後にどんな仕事をするかについて求人広告を見て考える
コメント